2011年11月2日水曜日

「やっと忘れた歌を突然聴」いても・・

 最近、過去のことが懐かしくなくなってきた。これも老化の一種かしらん。

 この前のこと。近くの研究室で働いている女性が高校の同窓生であることを知った。通学時期も重なっていた。文化祭の花形、軽音楽部だったそう。顧問の先生は、私の2年次の担任だった。
 この社会科教師には、私もとても影響を受けた。授業時に副教材としていろんな文章を配ってくれた。その中には、見田宗介のものもあって、私が最初に触れた社会学的なテキストだったかもしれない。諸星大二郎のマンガも貸してもらったりした。まだ、借りっぱなしかも。

 こうこうこんな先生でしたね。先生とはこんな話もしましたよ。そういえば、あの校舎は、こんな風でしたね。文化祭は、こうこうでしたね。
 ひとしきり高校話で盛り上がった。

 彼女は、高校時代が本当に楽しい時期だったそう。
 で、私は、と聞かれると、どうも答えにくい。それほど嫌な思い出があるわけではないけど、楽しかった~、ということもない。少なくとも、戻りたいとは思わないな。同窓会があっても行かないだろうし。

 これは、まぁ、私がイケてない高校時代を送っていたってだけかもしれない。でも、少し前だったら、こんな思い出話をしていると、懐かしい、という気分になったような気がするのだが、それが全くないのだ。こんなことがあった、ああだった、という事実は覚えているのだけど、どうも、実感が伴わない。まるで本で知った知識みたいな記憶になってしまっている。

 そんなものなのかな。30くらいから、物覚えは悪くなり、記憶を呼び起こす機能も明らかに鈍化するようになった。それは、どうもみんな似たようなものらしい。が、最近のことは覚えられなくても、若い時の記憶は鮮明に覚えている、というようなイメージが、一般的な「老化」にはあったけど、そうでもないのかも。

* * *

 ちなみに、「サランヘヨ・ハングンマル」のブログによれば、韓国には、「懐かしい」という表現がない、らしい。「懐メロ」は、単に「古い歌」だ、というのだが、本当かしらん。http://t.co/wcf6jRmO (「恨」というのは、あくまでも、未来志向の感情なのだ。過去をどう内面で処理するか、その方向の違いだというのが、ブログの説明。)

 韓国の歌番組、アイドルが出てくるようなのは新しいのを見尽くしたので、最近は、演歌番組とか、のど自慢とかも見たりしているのだけど、結構「懐かしの」って感じの特集、たとえば民主化運動時代(たぶん)のフォーク特集、みたいな感じのものをやっていて、懐かしそうに歌っているように見えるけどなぁ。(今度、留学生に聞いてみよう。)

 このブログの記事を読んで、最近、韓流にハマっているから、その影響で、過去が懐かしくなくなったのかな、とちょっと思ったが、関係なさそう。
 大分前から、こんな感じだし、内なる「恨」もか弱いものだし。

0 件のコメント:

コメントを投稿