2011年12月7日水曜日

道頓堀の回転寿司で観光気分を味わう

 道頓堀の回転寿司に一人で行くのが最近のちょっとした楽しみ。外国人向けの大阪ガイドブックに必ず載っているようで、いつ行っても半分以上の客が、韓国や中国からの観光客のようだ。キョロキョロしながら、お茶の入れ方を模索していたり、カメラで寿司が流れているのを撮ったりしているのを見ていると、自分も観光しているような気分になって楽しい。

この前は、韓国のドラマに出てくるようなキレイなお姉さんの二人連れが来ていた。スマートフォンで、寿司と自分を一緒に撮ったりして楽しんでいた。韓国語のパネルメニューがあるので、指さしで注文できる。カニカママヨ軍艦を頼んだ。美味かったららしく、立て続けに3つくらい注文していた。カウンター内のおっさん店員は「はいよっ」と威勢よく言ったあと、空中に向かって「カニカマでっせ~。カニちゃいまっせ~。」とつぶやいていた。ホンマのカニと勘違いしているんじゃないかと可笑しかったが、案外ちゃんとわかっているんじゃないかな。ふつうにカニカマってうまいもんな。

最近、韓国語をかじっているので、韓国人旅行者に話しかけてみたくて仕方がない。もちろん、にぎやかな繁華街で、片言の韓国語で話しかけるおっさんなんて、どう考えても怪しすぎるから、ちらちら眺めているだけで終わるが。韓国に行ったとき、変なおっさんが近づいてきて「日本人ですかぁ~。ヨンサマ最高ねぇ。韓国、カン・ホドン、ナンバーワンね。」と話しかけられたことがあるが、あのおっさんも同じ心境だったのだろう。ただ、日本語で話してみたかっただけなのだ。(僕が今話せる韓国語も「韓国人ですかぁ~。カラ最高ねぇ。」くらいなものなので。)

寿司を握っているのは、大体、中年以上の日本男性のよう。雰囲気は職人っぽい。で、レジや注文の担当は、ほとんどが中国人の若者たち。留学生のバイトだろうか。通訳にもなっていいのだろう。注文が途切れた時、職人風店員が、中国人のバイトの子に正月の話をしていた。「わし、もう、おせちとかヤメいうてんねん。あれ、何日も続くとあきるやろ。昔と違って、正月も今は店あいてるからな。意味がないようなってるねん。」と、おそらく、全国中で100万回は繰り返されてるであろう、よくある「最近の正月雑感」話をしていた。が、相手が中国の人なのが、何か可笑しかった。

「中国はどうなん?」と国際的な雑談が続いていた。バイトの子がちょこちょこ応答したあと、「やっぱり中国は広いからなぁ。国をまとめるの難しいわな。せやから、一人っ子政策とかせなあかんねやなぁ。」というような、これもまた、よくある国家論に続いていった。

東京ではおそらく20年くらいは前から、京都ではもちろん別の意味でずっと前から見られるようになったであろう、こういう変化の波。大阪では、ここ10年くらいで起こったような気がする。今でも、大阪は、京都や奈良旅行の際の、関空との間にある単なる通過点ではあるが、観光スポットとして道頓堀のあたりも少し人気を集めてきているような。

外国人が多い場所にいると、何とも風通しのいい気分になる。ミナミなんて、昔から雑多な人が集う盛り場だったはずだが、今の景色から思うと信じられないくらい単色だったのではないか。原発事故の後、観光客が激減し、ミナミでもあまり見かけなくなった時期があるが、その時は、何とかまた戻ってきてもらえないか、と大阪観光協会の人みたいな気持ちにもなった。最近、少し戻ってきて、うれしい。

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