2011年9月18日日曜日

ミサリ競艇場へ








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次の日。地下鉄5号線、サンイルトン(上一洞)駅へ。競艇に行くため。公営ギャンブルをテーマにした研究者なので、一応。韓国は、競輪・競艇という日本起源の公営競技を、システムごと輸入して実施している、世界唯一の国なのだ。競輪場は三か所、競艇は一か所あり、国家のスポーツ事業団みたいなところが運営している。韓国語がもっと読めれば、もっといろいろ詳しく調べられるのに、恥ずかしながらほとんど分かっていない。競輪は、2月に見に行った。今回も、実は二日目は釜山の競輪場に行く予定だったのだが、よく調べると、開催していないようで、あきらめたのだった。金・土・日は開催のはずなのに、他の二か所はやっていたのに、釜山だけなぜやっていなかったのかは、よくわからない。で、今日は、日本国外唯一の競艇場・ミサリ競艇場へ。日本人の訪問記のブログなどを参照して、最寄駅に向かう。市場みたいなものもあったが、なんとなく殺風景な景色。場末というのとも違うが。そんな地下鉄の終着駅で、道行く人に、「ボート行き、バス、乗り場、どこ?」という片言で聞きながらバス乗り場を発見。乗り場と言っても、何の標識もなく、1人だけ予想紙を売っているおばさんがいて、周りにおっさんが集まっているだけの場所。しばらくすると、結構立派なリムジンバスがやってきて、流れに任せて乗り込む。20分くらいかな、走ると、大きな人口池が見えてきた。

競艇場は、作りは尼崎競艇に似ている、と誰かがブログに書いていたが、構造はそうかも。とにかく、ソウル市の郊外で、パーッと視界が広がる開放的な空間であった。大きな人口プールを区切って、選手の練習場、レース場、そして、漕艇競技などのための練習池に区分けされて使っているよう。韓国競艇は歴史が浅いので当然だが、施設もものすごくきれいで立派だった。瞑想室なんてのも用意されている。これは、競輪の見学に行ったとき、関係者に教えてもらったのだが、ギャンブルに熱くなった自分をクールダウンさせるためのメンタルヘルスのための装置なのだ。読書室なんて似つかわしくないものもあった。共に、使っている人がいたのが、また面白い。客層は、住之江競艇、尼崎競艇同様、中高年のおじさんが中心ではあるのだが、若い人、あるいは女性もちらほら見える。家族連れの姿も。

日本の公営ギャンブルファンに比べると、かなり上品に見えた。もちろん、ソウルの都心部で見る人たちに比べると、圧倒的にガラがわるいのだが。食堂もキレイ。ジャージャーメンを食べたが、外国人は全くいない雰囲気だったので、なんとなく、バレたくない気持ちになり、記念撮影はやめた。レースは、日本の競艇と、まったく同じ。競輪はちょっと違う。つき合いで二つくらいのレースを賭けてみる。1000円程度だが、情報もよくわからないし当たるはずもない。もっとも、日本でも競艇で勝つことはめったいないのだけど。平日水曜日の日中に関わらず、結構な人出だった。1万くらい入っているような。韓国には、カジノがあるけど、韓国人は入れないことになっているらしい。外国人と、在外同胞は入れる。パチンコは禁止。合法的なギャンブルは、競馬・競輪・競艇のみで、日程をそれで調整して設定しているので、ギャンブルファンの取り合いになっていないのが、活気の原因なのかも。一つのレースで大本命の選手が飛んで、大穴があいたみたい。そしたら、意味は分からないけど、そうとう酷い言葉らしい罵声を何人ものおっさんが浴びせていた。まぁ、日本の競輪場よりは、ましな感じはした。

ここにいる男性はみんな、あるいは昨日のカラオタクの彼も、誰も彼も、兵役に行ったか、あるいはこれから行くかするんだなぁ、と思うと、不思議な気持ちになる。ギャンブル場が、日本よりは、まだ、上品っぽいことの理由には、そういう社会統制の強さがあるのは確からしく思われる。うーん、どう評価したらいいのか。




村上なんとか張りの現代アートオブジェが。弁当を広げながら、予想紙をひろげるお母さん。


現在のソウルは、各所で、現代アート的な作品が見られる。デザインソウルとか、そういう政府主導の運動の一環か。


入口。2~3レースだけ見て、まぁ、いいやと帰ることにする。決勝は7時くらいのナイターでやるらしい。

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